ショッピングが開始した。
普段は服なんて某服屋でしか買わないからなぁ。どんな服を買っていいかわからないし、どう合わせればいいかもわからない。化粧とかもしないから良く分からない。

とりあえず、陽乃に合わせてもらおうかな。




「ってことで、陽乃。お姉ちゃんが綺麗になれるように、上から下までコーディネートお願いできるかな?」

「もちろん。えっと…じゃあ、文字通り上から行こうか。美容院行こう。」


そういえば、ここしばらく髪切ってないな…。中学の頃から髪切りに行くのが面倒で、後ろは伸びっぱなし、前髪は自分で切ってた。鬱陶しくて邪魔だったから、1つに縛るだけだったし。




美容院についた後は、私はされるがままだった。陽乃と美容師さんが話していることは理解できなかった。


「できましたよ。どうでしょうか?」


美容師さんが鏡を合わせて確認してくる。
正面の鏡を見ると、まぁ、私がいた。顔のパーツはそう簡単に変わらないから。でも、少しだけ切られた髪はふわふわしていて、雰囲気が柔らかくなったと思う。


「お姉ちゃん可愛い!」


陽乃がグッっと手を突き出して喜んでいる。可愛いなぁ。


「ありがとう」


陽乃の可愛さに、つい私も笑顔になってしまった。






「お姉ちゃん、次は服ね。」


ぎりぎりと手を引かれながらショッピングモールの方へ歩いていく。ショッピングモールは場違い感が強くて敬遠していたのだが、陽乃が楽しそうなので、別にいいかなって思った。


10分ほど行くと、お目当ての洋服店へついたようだ。人気の店なのか、若い子たちが沢山ショッピングに来ている。


「どのような服をお探しでしょうか?」


店員さんに話しかけられた。どうしよう。あんまりこういうお店に来たことがないので、どう返事をしていいのかわからない。軽くわたわたしていると、陽乃が助けてくれた。


「お姉ちゃん、これとかどう?」


陽乃がいるのがわかると、店員さんはちょっと笑って他のお客さんの元へ行ったようだ。


「陽乃ありがとう〜…」

「ん?何が?」

「ううん、なんでもないよ。それで、何?」

「あ、えっとね、これと、これと、これの試着お願い!」

「りょーかい」


ファッションのことなんてわからないから、どんなジャンルとかなのかはわからないけど、とりあえず、白系でレースとかがついてて、ゆるふわって感じだった。

まぁ、そんな感じで服を買った。
靴も同じように。



帰る頃には普通にショッピングモールを歩いていても、違和感もないくらいになっていた。



化粧品を買える時間はなかったので、とりあえずは陽乃の好意に甘えて陽乃のものを使わせてもらうことになった。
陽乃マジ天使。大好き。