【短編】いつも側に


学校に着いて自転車を拓真が止めているのを横で待っていると、聞きなれた声が聞こえた。



「優美ー!」

『あ、千夏(チカ)おはよー!』


手を振って駆け寄った千夏に私も手を振替して挨拶した。



「また、拓真と登校ね」

「゛また゛で、悪かったな」

『まぁまぁ』


あんまり仲が良くない二人の喧嘩をいつも止めるのは私の役目。


何故仲良くないかは…

千夏は゛え、大事な優美をとるから゛
拓真は゛お前には言えねーよ゛

結局よく理由がわからないんだよね…



「お、朝から賑やかだな~♪」

『あ、壱吏(イチリ)くん、おはよ』


また喧嘩をしだした二人を止めずに後ろで見ていると、登校してきた壱吏くんが二人の喧嘩を見て笑った。

壱吏くんは拓真の友達で、性格が大人びてるから私達から見てお兄ちゃん的存在。