【短編】いつも側に



黙った二人、でも拓真だけは違った。



「お前、何がしてぇーの?」

『…え?』


顔を上げると、私を冷たい目で睨んでる。

怖い。今すぐ逃げたい。

でも、体が固まって動かない…



「千夏を泣かせて何なの?」

『…っ』

「お前のせいで俺らがこうなってるのがわかんないの?」


拓真の言葉一つ一つが私の胸にザクザクと刺さる。


ヤバイ、目頭が熱くなって…



「拓真ッ!!」

「…ッ」


壱吏に呼ばれてハッとした拓真は、再び俯いた私を見て目を丸くした。



『ごめんなさい…ッ』


泣いて謝ってもただウザがられるだけなのに、胸が痛くって涙が止まらない。



「わりぃ、優美…あの…」


言葉に詰まる拓真。

謝らないで、悪いのは全て私。


だから…










『もう、拓真達と距離置くね。私のせいでごめんなさいッ』


そして、拓真への気持ちも無かったことにするよ…



「おい!!優美!!」


私は拓真達の前から逃げるように公園を出た。

さよなら、拓真。