【短編】いつも側に




気になって公園の中に足を踏み入ると、目の前には優美と壱吏の姿。

俺は、公衆トイレを壁にして二人の様子をうかがった。



何か、変な雰囲気…??




『ほ、本当に?!』

「…ああ」


驚いた表情で聞き返す優美に冷静に答える壱吏。

何だよ。話の内容が見えないんですけど…














「好きだよ」

「…ッ!!」


今、なんて言った??



「だから、わかるんだ…」


切なく絞り出したような声。


…何がわかんだよ。





『壱吏くん…、私も好きなんだ。』

「…え」


思わず声に出てしまった。


優美??

今、壱吏に好きって言ったのか??


話が見えない上に頭が混乱する。




「ふ、やっぱな」

『でも!私…』



「…ッ」






これ以上、黙ってられっかよッ!!



足を踏み出して、優美達の方に出た。

ザッと鈍い砂利の音を出して。