【短編】いつも側に



近くの公園のブランコにお互い座った。
静かな公園に錆び付いた音が響き渡った。



『私…、嫉妬してた』

「…ん」


私の言葉に黙って耳を傾けてくれた。



『千夏は悪く無いのに、拓真は千夏と仲いいから凄い不安になったっ』


言葉と共に感情が抑えきれなくなり、涙がポツリポツリと地面にこぼれ落ちた。



『自分が気持ちを伝えないから悪いのに…っ』


それ以上上手く喋れず、私は顔を手で隠しながら泣いた。















「俺だって、嫉妬して上手く伝えてない…」

『…っ、え??』


涙を拭き取り壱吏くんを見ると、壱吏くんの瞳は揺れて切ない表情になっていた。



「俺…っ」

『いち…りくん??』
















―…



俺は学校に着いて、先ずは優美に謝ろうと考えていた。


そして、今日こそ自分の気持ちを…



「…なんだぁ??」


教室の目の前まで来ると中がいつも騒がしくなっていた。



「…っ、たく…ま…」

「千夏、お前何泣いて…」


教室の入り口にはみんなが心配する中、千夏が目を赤くして泣いていた。