【短編】いつも側に



学校にいるのも嫌になり私は校外へと走った。




自分、最低だ…

千夏は何も悪くないのに…



『もう、わけわからない…っ』


立ち止まり、電柱に寄りかかって泣き崩れた。

ただの嫉妬でこんなことななって。



『自分、嫌いっ』


千夏にもあんな事言って、学校なんかもう行けないよ…っ











―…グイッ




急に腕を後ろに引かれてその場に立ち上がれば…



「やっと、見つけた」


私の腕を掴んで息切れをしている壱吏くんの姿があった。



『壱吏くん、どうして…??』

「学校着いたら千夏が泣いてて、全部聞いたよ…」

『…っ』


そっか…、全部千夏から聞いたんだ…



『私バカだよね…、千夏は心配してくれたのに…っ』


溜まった涙が流れ落ちると、壱吏くんは私の腕を掴んだままどこかへと歩き出した。



『壱吏くん?』

「相談ならのるよ?取りあえず、近くの公園に行こうか…」

『…っ、ありがとう…』


もし、拓真を好きにならなかったら壱吏くんを好きになってるだろうな…