【短編】いつも側に



最近、千夏から拓真の名前がやたら出てくる…
その度にイライラする私…



「拓真も悪気は無いと思うよ!ねっ!」


何でそんな事、千夏に言われなきゃいけないの?



「だから、今日仲直り作戦しない?」


いつもの私なら゛うん゛とか言うけど…
















『…いい』

「え?」


私からの返事が予想外で笑顔だった表情が一変し、驚きに変わった。






―…バンッ



『別にそんな事しなくっていいし』


机を叩いて椅子を引いてその場に立てば益々妙な雰囲気が漂う。

何でこんなイライラするの…っ
これ以上喋ったら傷つけちゃうのに…!!



「…優…美??」

『何なの?拓真、拓真って!!
自分の物のような言い方してさっ』

「違うよ、優美!!」


もう、無理…っ











『千夏なんか、嫌い。






大ッ嫌い!!!』


悲鳴のように千夏に大声で叫んだ。





泣きそうな千夏の顔。





クラスのみんなからの視線。




これ以上いてもたっていられなくなり、さっき掛けたばかりのカバンを持って、教室から逃げるように出て行った。