【短編】いつも側に



私は他の人に泣き顔を見られないように俯いて走った。

たどり着いた場所は体育館裏。
太陽の光でほんのり暖かい地面のコンクリートに腰を掛けた。



『…っ、うっ』


初めて拓真のあんな顔を見た。

私を見下した冷たい目、表情。

思い出すだくで胸の奥が痛くなるっ。



『…たく、まっ』


彼の名前を口にすればするほど、涙が止まらない。
好きになったのは間違いだったのかな…??
片思いって…、


こんなにも辛いんだ…










―…



「あら、優美なら先に行きましたよ」

「あ、そうですか…」

「もー、優美ったら拓真くんに一言位言えばいいのにっ」









あの日を境に私は拓真を避け始めた。



「優ー美!」

『あ、千夏』

「拓真とまだ喧嘩中??」

『うん…』


先に学校にたどり着き席に着けば、千夏が私に話しかけてきた。