花に想いを。

私が勝手にドキドキしていると、海士くんが立ち上がった。
「ありがと」
「あっ、うん!」
シャーペンを返してくれて、椅子を戻す。
「職員室行こうか」
「うん!」
…私、うなずいてばっかりだな…
向こうから言ってくれるのは嬉しいけどさ。
仕事のことだけだけど、ね。
ちょっと絡みに感動していると、さっさと歩いていってしまう彼。
あー、待って待って!!
慌てて小走りで後を追いかけた。
「海士くん!」
声を掛けると、首だけで私の方を見てくれる。
「何?」
…あ…えっと。
とりあえず声かけたけど、話題考えてなかった。
いつメンだったら相手から話振ってくれたりするんだけど。
今回は…っていうか海士くん相手には望めそうもない。
「あ…えーっと。部活、何だっけ?」
「自然部」
しぜん、ぶ。
八ズレがない話題だと思ったのに、リアクションしづらいって言うか話が広がらないって言うか…
やっぱ陰キャラ!!