いっぱいの友達と喋ってれば、いつのまにか1日は過ぎる。

で、今は放課後の教室。

そろそろ夕日が差してきた、午後4時。

今は冬、あっという間に暗くなっちゃうんだろうな。

海士くんは、結局最後まで黒板消しをやり遂げてくれた。

毎時間前に立って腕を伸ばす海士くん。

制服は真っ白なのに、払いもせずに席に座って本読んでたなあ。

楽な仕事もらっちゃって、ちょっと悪かったかな。

ずっとその負い目が消えなくて、休み時間の度に背中を見ながら日誌書いてた。

口では友達と何か言い合いながらも

あ、腕長いなー、とか

案外背中広いかもー、とか

背伸びしなくても最後まで届いちゃうんだ、背高いなー、とか

いろいろ知った、ような気がする。

…よし。

やっと日誌、自分の作文書き終えた。

「海士くーん。

日誌、あと海士くんの作文だけだよー」

大声で呼ぶと、廊下から海士くんが顔を出した。

「了解。

こっちも窓閉め、終わった」

「え、窓閉めもしてくれてたの?!」

「うん」

私が海士くんの背中とか思い出してる間に、そこまで。

ぱっと黒板を見ると、こっちもすごくキレイになっていた。