さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~

おばあさんの後についてふらふらと玄関に入り、どうにか荷物を玄関のフローリングのあがり口に載せた。

そして、そのまま、玄関のタイルの上にしゃがみこんでしまった。

ひんやりしたタイルが気持ちよかった。

耳の中で、ジージージーと蝉の鳴くような音が響いた。

目が回る回る回る……回る。
 


気がつくと、おばあさんが心配そうな表情で、あたしのサンダルを脱がそうとしていた。
「おじょうちゃん、気がついた?」

(おじょうちゃん……あ、あたしのことか)