「子どもが遠くに勤めるようになって、孫を連れて出て行ってからは、誕生日が楽しくなくなりました。
主人と、年寄り二人ですから、少しも、めでたくないんですもの。
クリスマスのころは、風邪をひいたり、腰が痛かったり、雪で歩けなかったり……ここ何年か、ケーキからすっかり遠ざかってしまいました。おほほほ」
おばあさんは、ふう……と長いため息をついて、黙ってしまった。
おばあさんの様子をうかがうと、息がはあはあと、苦しそうだ。
本当にどうしよう。家はどこ?
早く休ませないと。
あせるあたしを気にせず、おばあさんは、ゆっくりと歩き、立ち止まり、汗を拭き、また歩いた。
主人と、年寄り二人ですから、少しも、めでたくないんですもの。
クリスマスのころは、風邪をひいたり、腰が痛かったり、雪で歩けなかったり……ここ何年か、ケーキからすっかり遠ざかってしまいました。おほほほ」
おばあさんは、ふう……と長いため息をついて、黙ってしまった。
おばあさんの様子をうかがうと、息がはあはあと、苦しそうだ。
本当にどうしよう。家はどこ?
早く休ませないと。
あせるあたしを気にせず、おばあさんは、ゆっくりと歩き、立ち止まり、汗を拭き、また歩いた。


