さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~

「どなたのお誕生日ですか?」

「ええ、主人の……」

「おいくつですか?」

「70歳……持たせて、ごめんなさいね」

「いいえ、いいんですよ。せっかくのケーキが崩れたりするとわたしも残念ですから」

おばあさんのゆっくりした足取りに合わせて歩いた。

「主人が、お宅のケーキが好きでね……」

「果林堂がケーキを売るようになってからは、家族の誕生日には、いつも、お宅のケーキでお祝いしたものですよ」

歩きながら、ぽつり、ぽつりと、おばあさんは語り始めた。

「誕生日・クリスマス・こどもの日……子どもたちと一緒に、お宅のケーキを食べましたよ」