商店が経営規模を小さくするのは、悪いことではないよ。

収益の悪い部分を切り捨てて、スリムにするっていうことだから。

普通の株式会社でも、業績の悪い分野から撤退すると、逆に株価が上がるってこともある」

うなずきながら、聞いた。

もっとも、聞き惚れているだけ、見とれているだけの状態で、説明の言葉の意味を完全に理解しているわけではなかったのだが。

ただ、潤一さんが、果林堂の状態はあたしが考えるほど悪いものではない、と言おうとしていることだけはよく分かった。