翌朝。

世界は白い花に覆われた。

うっすらと雪が積もったのだ。

昨夜の夢を思い出しながら、駅まで歩いていった。

まだ人が少ない時間帯だから、雪は踏み荒らされていなくて、まっさらなままだった。


町中が生クリームに覆われたクリスマス・ケーキのようだ。

天からあたしを眺めたら、クリームの上をちょこちょこと歩くアリのように見えるかもしれない。

赤いマフラーを巻いて、紺色のピーコートを着た、ちっちゃなアリ。