「ただいまっ!」

あたし、村中実可子(むらなかみかこ)は居間に駆け込んだ。

手には「サマーリゾート北海道」というパンフレット。

札幌ラーメン・地平線・キタキツネ・クラーク博士……

ハッピー・サマーが、待っている!

ちゃぶ台の前に突進した。




父、重蔵(じゅうぞう)は、昼ご飯を食べていた。

母の登美子(とみこ)が店番をして、父は昼休みの時間だ。