さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~

「だから、夏休みには、いっしょに遊べないけど、ごめんね」

「いいよ、いいよ、気にしないで。がんばって。わたし、ケーキを買いにいくからね……」

「あたしが、がんばって店をたて直すよ」

二人は、顔を見合わせて笑った。

「さ、シュークリーム食べよ」

持ってきたシュークリームをテーブルに並べた。

本当においしいお菓子は、ひとを幸せにする。

あたしたちの心はクリームのようにとろりと甘くなって、一瞬、目の前の不安を忘れた。