さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~

「そうですね。すみません……。
事務所の方針について行けないもので、つい……。
事務所にたてつくわけにもいかず……」

(そうか、志研さんが一番つらいんだ)

「じゃ、曲目は、これで行こう。いつものようにやろう」

大木さんが、曲目が書いてある紙を、志研に渡した。

「じゃ、そろそろ、着替えて」

と、大木さんが促したので、あたしは居間を出て店の方に行った。


しばらくして
「じゃ、お世話様でした。いってきます」
「よし!行くぞ」

志研さんは白の、大木さんは黒のタキシードを着て、びりびりした緊張感を漂わせながら、果林堂を出て行った。