「お疲れー!今日のメニューは簡単そうだね?」
「おう、余裕だ!」
大地の手首にはリストバンド。
あたしの手首にも同じリストバンドがある。
「あのさ」
大地が真面目な顔して話を切り出すから、あたしは背筋をピンとした。
…何か、いつもと話の雰囲気が違う。
「もし輝が光に泣かされたら俺、いくら光でも遠慮しないからね?」
「…え??」
想像していた話とは全く違う話。
光……?
どういう、事?
「それと、リストバンドはずっと着けててな」
あたしの手首を強く握りながら言う大地の顔は、
どこか寂しげで、切なくて…
胸が締め付けられるようだった。
「うん、リストバンドは外さないよ?だいちから貰ったものだしさ♪」
明るくあたしがそう言うと、大地は
「おう!」
と言って練習に戻ってった。


