夕方。

太陽が西に沈む頃。

出かけるために少しオシャレして、準備を整える。


…いよいよだ…

いつもより速い鼓動。

「大丈夫」

そう自分に言い聞かせて、部屋を出た。



車でおよそ20分。

着いたのはフランス料理専門店。

いかにもヨーロッパ風で、働いてる従業員にも外人がいる。

フランスに憧れを持つあたしにとって、一発でお気に入りのお店になった。

「今日はテラスで食事できるそうだよ。2階に行こう」

光のお父さんに続いて、螺旋階段を上っていく。


「わあーー!すごい、綺麗な眺め!」

テラスに出ると、夕日と立ち並ぶビルが綺麗な街を創っていた。

街がオレンジ一色に包まれる。

…そういえば、大地に告白された時も、こんな綺麗な夕日だったっけ。

あの時は儚くて切ない、哀しいような景色に見えたけど…

心境の違いでここまで違って見えるんだ。