非売品じゃないだとーー!?

あのバカ…

心の中でアイツを睨みつけていると

「でもある意味、輝がキーホルダー壊してくれて良かったかも」

ってだいちがイタズラっぽく言った。


…“良かった”って…


「なんで??」

「もしキーホルダー壊してなかったらマネージャーになんかならなかったろ?そしたらこうやって話せないじゃんか」

嬉しそうに笑いながら話す大地。


…そっか。

そういえばそうかも。

まあ、そう思うようにすればいいか。


そうして、今日の練習メニューも終わり、みんなで片付けに入る。

「輝ー、悪りぃけどそこのゼッケン棚にしまっといてー!」

仁がボールをしまいながら言った。

「分かったー」

ゼッケンを棚に…

棚に…

届かない!

あと数センチなのに上がらない…っ!

困っていると、いつの間にか隣にいた光が

あたしの持っているゼッケンを取ると

普通に棚にしまってしまった。