「じゃあ先生はお米研いじゃうから、野菜カット任せていい?」
「おっけーですっ!」
ニンジンを大きめにカットして、隠し味用の林檎をすりおろす。
肉は豚肉じゃなくて、鶏の脚肉。
味が染み込むように、切れ込みをいれて……
カレー作るなんて久々。
お母さんと2人暮らしの時はよく作ってたけど、
最近は光のお父さんと一緒に料理してる事が大半だから。
邪魔しちゃ悪い気がして、手伝いはあまりしなくなった。
「ねえ、そういえば輝って、宮本君と同棲してるんでしょ?」
「な…同棲って…!危なっ」
先生がいきなりそんな事言うもんだから、驚いて包丁を落とすとこだった…
「ごめんごめん、大丈夫?そんなに動揺しなくても」
ちょっと心配そうな顔をしつつ、ケラケラと笑いながら言う先生。
「そりゃ動揺しますよ…!同棲って…」
…せめて同居でしょ。
「切ないわねえ……」
先生が遠い目で言った。
…どういう事?
まさかあたし達の事…?
「…え?」


