着替え終わって、先に更衣室を出ると、バッタリ大地と会った。
「輝…?」
目を見開いて、あたしを見る大地。
…感じとったのは、デジャヴ。
目の前にいる大地が、あの時の光と、重なる。
“お前”
“似合ってる”
“クラスのやつに見せたくないなーと。特に大地”
…ああ。
あたし、まだ忘れられてないんだ。
こんなにも鮮明に、覚えてる。
アイツの存在は。
まだ、あたしの心の中に。
…あるんだ。
「輝…、似合ってる、ってか。…可愛い…」
大地の言葉に、はっとする。
「そ、そうかな?ありがとう」
へへっ、と笑って誤魔化す。
ダメだよ、あたしは…
「じゃああたし、出番近いから行くね?」
「おう、頑張ってな!」
「うん!」
大地を、選んだんだから。


