春色デイジー

うーん、と自分の顎に指を添えて悩む先生に、そんな姿さえ絵になってしまうことが狡い、という理不尽な感情が巻き起こる。



じめじめとした重い風が開いた窓から吹き込んできて、肌に触れるのが不快。それが先生に対しての罪悪感と混じり、纏わり付く。


もう一度、この呪文のような異国語の羅列を瞳に映してみるが頭痛の気配を感じただけだった。


「じゃあ、参考書の例文から。これ基本中の基本だから」


基本中の基本、を強調して言う先生は相変わらず意地が悪いなと思う。

この先生の提案により、私と卓馬は別メニューをこなすことになった。




先生は先程私達の頭に振り落とされた参考書、もとい授業で使用している参考書を基に丁寧に説明してくれる。


いつもはただの睡眠導入への道具と化しているその内容なのに、先生が私の脳みそでも理解出来るように砕いて説明してくれているからか、すんなりと脳に納まった。


もしかして、やれば出来るんじゃないの、私。なんて思ってしまう程に。


「ちゃんと復習しないとすぐ忘れるからなー」

「う、……はーい」


私の考えなんてお見通しだったようで。そんなに透けているのかしら。不安になる。