春色デイジー

「テスト中、お腹、痛かったの?」

「馬鹿か」

「馬鹿って言った方が馬鹿だから、卓馬の方が馬鹿」


心配した私を馬鹿呼ばわりした卓馬に、幼稚園児でも思い付きそうな言葉を投げつけた。べっ、と舌を出すと頭上に衝撃。


「「痛……っ!」」

「おい、二人とも。補習を忘れんなよ」


私達の頭上に振り落とされたのは、参考書を丸めたものだった。結構痛かった。


が、先生の笑顔に含まれた圧力に反論をする勇気なんて起こらず、渋々プリントと再度向き合う。

卓馬もはーい、と返事をして私の横に座った。それを見て、先生は卓馬にもプリントを渡した。


「とりあえず、一週間よろしく」


先生は、先程の笑顔でもう一度微笑んだ。
私達はそれに曖昧に笑い返すことしか出来なかった。


「分からないところあったら聞いて」


先生はそう言葉を残し、椅子に深く沈むように座り直した。