相変わらず古びたプレートを掲げる英語準備室に着くと、先生は扉を開けてどうぞと私を招き入れた。
辞典を指定された場所に収納してから、先生に促されて隣の椅子に腰を下ろす。ちゃんと用意してくれたらしい。
「コーヒー?紅茶?」
「あ、コーヒーで」
だと思った、と独り言のように呟き、電気ケトルで手際よくお湯を沸かし始めた先生。
ん、今のは嫌味じゃないよね?さすがに無いか。先生の言葉を深読みしすぎた自分に、性格の捻くれ具合が増したのではと不安になる。
かちゃかちゃ、と食器のぶつかる音。一瞬ここが学校であることを忘れそうになる。
突っ込みどころは満載なんだけど。
まず、この英語準備室の存在から順に解明していきたいところだが。
とりあえず、初めて踏み込んだ此処をぐるっと一周観覧してみた。
壁に沿うように伸びた天井まで届く程の本棚には、綺麗に本が序列されている。目を凝らして見ると『ハムレット』や『赤毛のアン』など、英語が苦手な私でも知っているような洋書の著名作品がずらり。
