……あ、また。
頭の上に乗せられた、自分のものよりも明らかに大きい手の平に、とくり。
じわりと上がった体温は、きっと夕日のせい。
急に黙った私に少し屈んで、なに?と覗き込む春斗さん。その瞳に映るのが気まずくて、少し目を逸らす。
「あの、バイトのこと……」
「ああ、この学校、バイト禁止だっけ?」
こっそりと窺うはずが、ばっちりと目が合ってしまって逸らせない。
「バイト辞めなさい」
「……」
鋭い声に、思わずぴくりと肩が揺れる。再び顔を俯けて、言い訳を探す。無い。
「って、言ってほしいの?」
意地の悪い声色になった春斗さんを、恐る恐る見上げると、声とは対照的にふわりとした優しい笑顔だった。
な、なんか色々後悔……!墓穴掘った感が否めない!
「内緒に、してくれますか?」
その言葉に、あははといきなり笑い出した春斗さんを今の私に出来る最大限の怪訝な顔で見てやった。
