何かに吸い込まれていくかのように、教室の扉から出ていくクラスメイトをぼんやりと眺める。
そして教室内の生徒が疎らになった時、雨のせいか悩み事のせいか気怠い動作で鞄の中へ筆箱を放り投げて真子の元へと向かった。
「真子さん、真子さん。折り入ってご相談が……」
真子は私をじとーっと爪先から頭のてっぺんまで観察し、呆れたように溜息を吐いた。大丈夫、いつものことである。
「はあ、何?っていうか優花、今日日直だよね?日誌書いてないでしょ」
最後、断定なのが気になるが、すっかり忘れていた。あ、と声を漏らし、鞄の中を漁り日誌を取り出した。
危ないところだった。日誌を出し忘れると、もう次の日も日直という教師たちの使いっぱしりの任を被ることになる。そんなの御免だ。授業で使う辞書を運ばされたかと思うと、次の時間にはノートを回収し先生の元へ届ける、さらに自販機にカルピスを買いに行かされる。あれ、最後ぜったいにオカシイゾ。
なんだかんだで面倒見の良い真子に感謝しながら、彼女の前の席の椅子を拝借する。
そして教室内の生徒が疎らになった時、雨のせいか悩み事のせいか気怠い動作で鞄の中へ筆箱を放り投げて真子の元へと向かった。
「真子さん、真子さん。折り入ってご相談が……」
真子は私をじとーっと爪先から頭のてっぺんまで観察し、呆れたように溜息を吐いた。大丈夫、いつものことである。
「はあ、何?っていうか優花、今日日直だよね?日誌書いてないでしょ」
最後、断定なのが気になるが、すっかり忘れていた。あ、と声を漏らし、鞄の中を漁り日誌を取り出した。
危ないところだった。日誌を出し忘れると、もう次の日も日直という教師たちの使いっぱしりの任を被ることになる。そんなの御免だ。授業で使う辞書を運ばされたかと思うと、次の時間にはノートを回収し先生の元へ届ける、さらに自販機にカルピスを買いに行かされる。あれ、最後ぜったいにオカシイゾ。
なんだかんだで面倒見の良い真子に感謝しながら、彼女の前の席の椅子を拝借する。
