カエリミチ。



「はぁ…うん、分かった。うん、迎え来てね。じゃ。」

(ピッ)


(…あーもうっ、

ほんっと家が遠いって不便!!)


私、新谷 美璃(シンタニ ミリ)は、眉間にしわを寄せて口を尖らせる。

これは不機嫌になったときの顔。




私の家は今いる駅から8km程離れていて、いつもお母さんが車で駅まで送迎してくれる。

でも今日は用事があるらしく、徒歩で30分程かかるお婆ちゃん家に行くことになった。