嘘つきラビリンス

彼は、大嘘つきだ。


「恋羽、こっち向いて?」


甘い声で、平気で嘘をつく。


「拗ねてるのか? 恋羽は可愛いな」

「……止めて」


彼の長い指が私の頬に触れる。


「まだ、好きなんだ、恋羽」

「……ウソ」

「好きだからここに来たんだよ。バレても構わないと思ってる」


嘘。

分かってるのに――。


「また、最初からやり直そう、恋羽」


この声に頷きたくなるの。