嘘つきラビリンス

お昼時だけど、もうすぐ休憩も終わる時間なのか、席にはすぐに通して貰えた。


「お酒が飲めないのが残念だね」

「というか、休憩時間終わりますよ?」

「うん、部長には君と打ち合わせするからって言ってあるから大丈夫だよ」

「さすが部長のお気に入りは違いますね」

「成績が良いときだけだよ」

「それならずっとですね」

「誉めてくれてるの?」

「嫌みを込めたの分かりませんでした?」


目も合わせずにそう言うと彼は「変わらないね」と苦笑混じりに言った。

もう彼にとっては私なんて過去の人なんだろう。

それを認識させられて怒らない人なんていない。

寧ろ、そんな人がいるならお友達になりたいくらいだ。


「まだ怒ってるんだね」

「……」

「怒ってるときは絶対に目を合わせない」

「……」

「それに両手の親指の爪をガリガリさせてるんでしょ?」

「はい!?」