嘘つきラビリンス

そして、トーマが居なくなると部屋は途端に静かになった。

もっとも、これが普通なんだけど。


「テレビでもつけるかな」


もう何を言っても独り言だ。

今日は日曜日。

明日から私も会社に行かないといけない。


「……重」


トーマが居るときは考えなくてすんだのに、居なくなった途端、思い出してしまう。

失恋したからって会社は休めない。

あいつに会いたくないからって、会社は休めない。

分かってるけど……。


「休みたいな……」


本音を呟いてクッションに顔をうずめた。