嘘つきラビリンス

買い物してご飯を食べてふたりしてソファの上や低反発マットの上でゴロゴロ。


「あー、これ本当に気持ちいいよー」

「気に入って何よりね」

「仕事、行きたくなーい」

「家賃折半、忘れてないよね?」

「……」


ま、家賃なんてトーマがひとり増えたからって増えるもんじゃないし、払って貰わなくてもいいんだけどね。

雑誌を読みながらそんな意地悪を言うとトーマは猫のように大きく伸びをして、ゆっくりとロフトから下りてきた。

それからシャワーを浴びて服を着替える。

と言ってもホストの格好ではなくて普通にジーンズにTシャツだ。

ホスト服はお店にあるんだとか。

トーマの髪はパーマではなく緩くうねっているのは天然なんだそうな。

にしても、柔らかそうな髪。

そして、その髪に似合った笑顔を私に向ける。


「それじゃ、お仕事行ってきまーす!」

「うん、行ってらっしゃい」


そう答えるとトーマは嬉しそうに笑って手を振りながら玄関のドアをくぐって行くものだから、私だって笑顔でしかも気付けば手も振ってる。

なんだろう? あの人懐っこさは。