嘘つきラビリンス

小さな声でそう答えると、トーマの顔が変化していく。

驚きの表情から喜びのそれへ――。


「ありがとう! 恋羽さんっ!!」

「え? あ、きゃあ!」


まるで犬のように飛びついてトーマが抱きついてくる。

それを受け止めることなんて出来るわけなくて、二人して出したばかりの低反発マットの上に転がってしまった。


「ごめん! 頭打たなかった!?」

「あ、うん……」


私が下敷きになってトーマが上で、私の背中にはマットがあって――。


「でも本当嬉しい! ありがとう、恋羽さん!!」


そして私の真上からとびきりの笑顔が落ちてくる。

こんな普通ならドキドキするシチュなのに、そんな笑顔見せられたらこっちまで笑顔になっちゃう。

だから……。


「うん」


まぁいいかって思った。