嘘つきラビリンス

「――んっ!」


そしてクローゼットを開けて昨日見つけたものを引っ張り出す。


「きゃあ!」

「恋羽さん?」

「あ、あのね、これ! んしょっ!」


どさっと大きな音が聞こえたからだろう。

心配そうに顔を覗かせるトーマに「これ!」と声をかけた。


「昔買わされて、でも私これに寝ちゃうと腰が痛くて。でもそれなりに高かったから捨てられなくて、でもロフトまでもって上がれないし、それでずっとクローゼットの奥に仕舞い込んでて……」


あれ? 私、これトーマにあげちゃうの?

いや、あげるのはいいの。

だって要らないから。

そうじゃなくて――、あれ?


「……それ、低反発マット」

「うん」

「それ、僕にくれるの?」

「……うん」