嘘つきラビリンス

「ついでに味噌汁作ったけど食べる?」

「……いいの?」

「うん、味噌汁って作りたてが旨いし、明日は明日で作るし」


トーマの体からお味噌汁の香りがする。

ホント、良い香り。


「で、離して貰ってもいい? 味噌汁が沸騰しちゃう」

「え? あっ、うん、ごめん」


私はトーマにしがみついたままで、その手を離すとトーマは「もう少し待ってて」とキッチンへ行ってしまった。

なんか、これってどうなの?


「今日はね、キノコの味噌汁にしてみたんだ。どお?」

「うん、美味しい」


そう答えるとトーマはにこりと嬉しそうに笑う。


「あ、そう言えば――」


私は思い出して冷蔵庫から昨日の夜作ったひじきほキンピラを出した。


「……食べる?」


なぜか小さな声で聞いてしまう私。


「うん! 恋羽さんが作ったの?」

「味は保証しないから」

「いただきまーす! うん、美味しい!」

「ホント?」

「うん、出来立てはもっと美味しかっただろうね」

「そう、だったかな?」

「絶対そうだよ!」


なんだろう、この空気。