嘘つきラビリンス

「……なんて、ただの負け惜しみじゃん」

「誰に負けたの?」

「ぎゃあ!!」


突然の声に驚いて声を上げて体を起こそうとして――。

ドサッ……。


「大丈夫? 恋羽さん」

「……大丈夫」


ソファから落ちてしまった私に手を差し伸べてくれたのはトーマだった。


「ってか、もう仕事終わり?」

「もうって今何時か知ってる?」


言われて時計を見れば深夜2時。

ホストクラブの営業時間なんて知らないけど、これって遅い? 早い?


「まぁ、土曜日なのに早いか。でも給料日前だからこんなもんかな?」


ホストの常識が分からない私にトーマはそう説明してくれた。


「ただいま」

「え?」