嘘つきラビリンス

「……何やってんだろう、私」


うなだれてソファのクッションに頭を落としてみる。

もうお風呂には入った。

ふたりで決めたのは夕方6時から夜の12時までは私の時間。

それから朝の5時までは誰も入っちゃダメ。

これには不思議で「どうして?」と聞いてしまった。すると、


「マンションって防音出来てるようで出来てないんだよ。シャワーの音って換気口を抜けて結構響くの。これで近所付き合いがグダグダになることだってあるんだから」


そう言われて納得した。

そして、5時から6時まではトーマ。

お仕事から帰ったら大体この時間なんだそう。

早くに帰ったときはそのまま寝て、私が出勤してからシャワーを浴びるらしい。

まぁ、私が居ない間いつシャワー浴びたって気にならないけど。


「――って! 追い出すの! 一緒になんて住まないから!!」


ガバッと顔を上げて、誰に言うでもなく叫んでみる。


「はぁ……」


そうは言ってみたけれど、どうやって追い出せばいいのか。

すっきりした部屋の中を見て、ため息をつく。


「負けてる……」


やっぱりそんな気がした。