嘘つきラビリンス

身分証明、持ってないのかしら?

じっとロフトに置かれたボストンバッグを見てみる。

あの中にトーマの全てがある。

身分証明出来るものもあるかしれない。

本当に未成年なら調べて親御さんに教えてあげるべきなんじゃない?

親御さんだって心配してるだろうし……。

これって大人として普通の考えよね?


「少しだけ……」


そう呟きながらソファから立ち上がる。


「未成年の非行を止めるのが大人の役目よね?」


そしてもっともらしいことを口にしてロフトに向かう。


「きっと彼の親御さんだって待ってるはずよ」


何度もそう自分に言い聞かせながらロフトのはしごに足をかけた