嘘つきラビリンス

部屋に戻って取り合えず探すものは鍵。

スペアは確かにあるはずなんだ。


「どこだっけ?」


使うことは無いけれど、それでも大事なものだからそれなりの所に片付けたはず。

通帳や印鑑と同じ場所かな?

そう思ってタンスの奥から通帳の入った袋を引っ張り出してみる。

けど、無い。

考えてみれば、通帳を出すときに鍵なんて見たこと無い。

それならと思って今度はシューズクローゼットの中を探すけど、無い。


「……このサンダル、もう履かない、よね?」


だけど、使い古したサンダルが出てきたから取り敢えず捨てることにした。

それからクローゼットの中も探してみる。


「このワンピなんてもう着れないか」


すると昔着てた可愛い系のワンピが出てきた。勿論こんなフリルのついたものなんてアラサーが着て良いはずもないからこれも捨てることにした。

お気に入りたったけど、毛玉のついたセーターに、もう履くことのない時代錯誤なジーンズも捨てるように紙袋に突っ込んだ。