嘘つきラビリンス

一人暮らし用の部屋だから、バスルームといっても狭いし防音性は乏しい。

聞こえてくるシャワーの音が生々しい。

いや、現に生で彼はシャワー浴びてるんだけど。

って、何考えてるのよ!?

ボスっとソファに倒れ込んだクッションで耳を塞ぐ。

あー、やっぱり一緒に暮らすなんて無理なんじゃない!?

今ならまだ間に合うよね?

シャワーから出てきたら、やっぱり無理だって伝えよう。

家出なんて意味ないから帰りなさいって大人として毅然とした態度で臨むのよ! うん!

……って、でもそれって時間かかりそうよね?

説得してる間に夜になったらやっぱりここに泊まることに――。

いやいや、家出なんてもうどうでもいいわ。

友達の家でも彼女の家でもどこでもいから行って貰うように――。


「なにやってるの? 恋羽さん」

「ぎゃあ!」