嘘つきラビリンス

「あー、よく寝た!」


そんな声に思いっきりビクッとしてしまった。


「あ、恋羽さん、おはよー!」

「お、おはよ……、ってもう夕方よ!」


なんか、この敗北感ってなんだろう?

別に負けてなんか無いのに、負けてる気がする。


「僕、シャワー浴びていい? お店いかないといけないから」

「……どうぞ」


私が答えると、トーマはまるで猫のように大きく伸びをしてはしごを下りてきた。

いつの間にかTシャツにスウェットというラフな格好。

ってか、本気でいつの間に着替えたのかしら?


「なに?」

「え? なにが?」

「だって、恋羽さんずっと僕見てるから」

「はっ? そんなことっ」

「シャワー、覗かないでね?」

「覗くかっ!!」


そう叫んでそばにあったクッションを投げつけたのに、トーマはいとも簡単にそれをよけてバスルームにいってしまった。

なんか、やっぱり負けてる気がする……。