『住むならどこがいいかな? やっぱり会社に近いところ?』

なんて話してたのに。

『年を取ったら田舎に隠居とかいいね』

なんて言ってたのに。

『結婚してもずっとこんな風にカレカノでいたいね』

って言ったのに。

こぼれてしまいそうな涙に私は急いで首を振った。

泣いてしまうなんて嫌だ。

これじゃ捨てられたみたいじゃない!?

彼は今でも私を好きだと言ったじゃない?

それを「馬鹿にしないで!」と振ったのは私だ。

そう、私は捨てられたんじゃない。


私が彼を捨てたのよ――!



ただの詭弁。

だけど、そうでも思ってないと私は私でいられなくなっちゃう……。