嘘つきラビリンス

それから彼はその寝袋の中で眠り始めた。


「土曜日はそれなりにお客がくるんだ」


どうやら仕事らしい。

私はというと、こんなお昼過ぎから寝れるはずもなく起きてソファに座ってたりする。

がさっ


「――っ」


そして、彼が寝返りをうつたびに驚いてしまったり。

今までひとりだったのに、かなり変な感じ。

自分以外に誰かがいる、って感覚にいまいちついて行けてない。

リビングからそっとロフトを見上げると蓑虫みたいなトーマの姿が見える。

寝袋って快適なのかしら?

登山なんかで使うのよね?

それならそれなりにごついの?

でも、どうみてもベッドほどクッション性があるとは思えない。

ロフトはフローリングだ。

身体、痛くないのかしら?

そんなことを考えてたらきりがなくて、私はロフトに登るはしごに足をかけてた。

ちょっと確かめるだけ。

だって気になるし。

もしもトーマがこれで病気なんてしたら私が面倒見るのよね?

そんなの困るし。

と、なんとか理由を考えながらはしごを登った。

そっとロフトに顔を出す。