嘘つきラビリンス


「良かった。恋羽さんの口にあって。この味噌ね、僕が自分で作ったの」

「え? はぁ!? お味噌を? 自分で!? そんなの作れるの!?」


驚いて思わず叫ぶ私にトーマはクスクスと笑う。


「手前味噌って言うでしょ? 昔は各家庭で味噌の味が違うとか聞いたことない?」

「……インドのカレーみたい」

「日本だとお味噌になるんだよ」


そう言いながらお味噌汁を食べるトーマ。

この子、箸の使い方も綺麗だ。


「ってか、作った味噌、持ち歩いてるんだ」

「うん、これいろんな人に好評だから。一緒に暮らす人にはいつも作ってあげてるの」


彼氏と別れたく無かったら胃袋を掴め、なんてどこかの恋愛指南書にあったけどそれの応用版かしら?

でも確かにこのお味噌汁はポイント高いかもしれない。

そして、気づけば二日酔いの不快感もいつの間にかなくなってることに、食べ終わった頃気がついた。