強くそういい切ると、トーマはさっきまであった笑みを消してじっと私を見つめた。

そして、ゆっくりと口の端をあげた?

ってか、何? その笑みは!?


「なら、そのお金はお店まで恋羽さんが持って来て」

「はい?」

「ちゃんと営業時間じゃないと受け取らないから」

「……はぁ」

「お店に入って他のホストに捕まっても、僕もう助けないよ?」

「へ?」

「昨日だって僕がどれだけフォローしたと思ってるの?」

「フォロー……?」


全然意味が分からない。

ただ瞬きを繰り返す私を、トーマは背の高さを生かして完全に見下ろした。


「一見さんなのに入ってすぐにシャンパンなんて頼んじゃって。あんなの『私、お金持ってます』って宣言してるもんでしょ? それでも店内にシャンパンコールかけなかった僕の優しさに気づいて欲しいな」


シャンパン、コール? なにそれ?