嘘つきラビリンス


「……う、ん……、頭が――」


割れそう。

典型的な二日酔いの症状だ。

こんな飲んだっけ……?


「恋羽さん、お水いる?」

「うん……」


お水、欲しいかも。

――って!?


「いったぁ……」


勢いに任せて起きあがると、ピックで頭を刺されたような痛みに私は頭を抱えた。


「ほら、いきなり起きあがるから。お水、飲める?」


そう言って水の入ったグラスを差し出したのは、


「……トーマ?」


昨日出会ったホスト君だった。