嘘つきラビリンス

シュワシュワと泡が弾けていく。


「はい、恋羽さん」

「……ありがと」


弾けていく景色が、なんとなく寂しく感じるのはどうしてなんだろう?


「僕も貰っていい?」

「え? あぁ、勿論」


そう答えるとグラスの向こうに、彼の緩い笑顔が見えた。


「俺も貰っていいですか?」

「俺も! 一緒に乾杯しましょう!」

「え? あ、そ、うね……」


トーマ以外に20代そこそこの男のこ子たちか群がってシャンパンをグラスに注ぎ手に持っていく。

そして、


「恋羽さん、おめでとうございます」


トーマの声に後ろの男の子達が「おめでとうございます!!」と復唱してグラスを差し出す。


「あ、ありがと……」


なんとかそう答えると彼らはこぞって私のグラスに自分のグラスを合わせて、みんなして一気飲みした。