私の犯した罪


ガチャ…

「ただいまー」

「おかえりさない」

と、奥から、声が聞こえた。

玄関まで来てくれてもいいのに…

まぁいつものことだ。

両親は二人とも働いていて、母は夜から朝まで、父は長い出張にいっている。

そのため、家族みんなで喋ることなんてほとんどない

私が二階へ上がろうと思って歩き出すと同時に、親が玄関へ向かった。

「いってきます…いいこにしててね...」

私は、いってらっしゃい とは言わなかった。

バタン…

あーあ

行っちゃった

家に誰もいなくなると、急に悲しさが押し上げて来た。

今日ぐらいは

“いってきます...いいこにしててね”

以外の声が聞けると思ってた

私、中学卒業したんだよ?

成長したんだよ?

卒業、おめでとう

も言ってくれないの?

あぁ、もしかして

卒業式だってことすら忘れてるのかな?

あはは

子どもの事より仕事か…

私、邪魔?

生まれない方がよかった?

「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは…は…」

気がつくと私の頬に涙がいくつも伝っていた。