私に挨拶をしてくれる生徒に挨拶を返しながら最上階にある理事長室を目指す





やっとついた頃には
ずっと微笑んでいたからか、頬は引きつっていた





……まぁ、そんなことは良い……否、良くはないけど置いといて





コンコン、と茶色い重たそうな扉をノックする


……中にはパパ以外誰もいなさそうかな
でも、まぁ、一応
「お父様、紫愛ですわ」

「あぁ、入りなさい」


その声を聞いてから理事長室の扉を開ける
「失礼致します」

「紫愛、誰もいないから大丈夫だ」


「ん、やっぱり」
キョロキョロと室内を見渡すがパパ以外は見当たらない


私は人の気配には人一倍敏感だから、大体分かっていたんだけど